「スリヴォヴィッツ樽熟成ボロヴィチカ」の樽を選んだ話
MatsuzawaTakeshiShare
2024年11月、2度目となるR.JELÍNEK蒸溜所訪問。
R.JELÍNEKとの出会いはこちら

今回はチェコ政府・大使館によるチェコスピリッツ・トレードツアーの中で訪れた。
途中で少し仕事の打ち合わせをさせていただきたい、と大使館の方には事前に話を通し、蒸溜所の見学の後で時間をいただいた。
目的は「樽熟成ボロヴィチカの樽選び」だ。
今回R.JELÍNEKが自社の代名詞とも言えるプラムブランデー「スリヴォヴィッツ」を熟成した樽に、ジンの主原料であるジュニパーベリーのみを使用した蒸溜酒「ボロヴィチカ」を熟成したという。
onewの商品に詳しくない方が読んだら、怪文書だ。謎酒を謎酒の樽で熟成した限定品である。
光栄なことに限定プライベートカスクとしてリリースさせていただくことになった。
今回選んだ樽と、その決め手について話したい。
とは言ってもリリース準備が出てきている樽は数百樽ある中で数えるほどだ。確かに樽を選びはしたが、途方もない選定作業というわけではない。

貯蔵庫の一部。こことは別に更に貯蔵庫が複数ある。
今回重視したのはバランスだ。
当然樽によって個体差がある。この手のジャンルの蒸溜酒は、傾向を細分化するとキリがないが「個性の尖った振り切ってるタイプ」か「バランスが取れたタイプ」だと思っている。
今回はスリヴォヴィッツの樽に熟成をしているため、プラムのフルーティな香りが滲み出てくる。プラムの香りとボロヴィチカの針葉樹の香り、その一体感を重視した。
思いっきりプラムの甘酸っぱい香りが強くても、ジュニパーベリーの針葉樹感が強すぎても、どちらでも満足できない。そして樽由来の甘味や口当たりの柔らかさ。程よい重厚感。
弊社で取り扱っている製品の多くは「香り」が重要なものが多いが、樽熟成をしているものに関しては樽由来の「味」が重要な要素になってくる。
アルコールや樽由来の苦味、度数からくる刺激、スリヴォヴィッツ特有の膨らみのある甘い香り、ジュニパーベリーの爽快感、樽本来のウッディな甘さ、様々な要素を拾っていく。
自分の味覚と嗅覚を信じ、厳選する。

あれも

これも

ハシゴも貸していただき上段の樽も見る。

明確にずば抜けて秀でた樽があった。これだ。
こういう時の直感は信じた方がいい。時間を掛ければ掛けるほど迷いが出てしまう。
樽のスペックはスリヴォヴィッツを10年間熟成していたチェコ産オーク樽。
2nd fillだったので今回のボロヴィチカが3rd fillとなる。
納得した。恐らく2nd fillでは樽の香りが強く出過ぎるのだと思う。
バランス重視で選定した中でベストなものを選ぶことができた。
今回ラベルは弊社のデザイナー宮田が手掛けた。
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樽熟成された特別なボロヴィチカをラベルを通じて直感的に分かるようなデザインを目指しました。
樽を構成する一枚一枚の板と樽そのものを上から見た円を組み合わせ、アイコニックなラベル形状にし、複数本のボトルが集まった時に樽の形が想起させるようなイメージにしました。
印刷も箔押しなどを用いて木のテクスチャを表現し、限定ボトルに相応しい品質を担保しています。
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1樽分274本限定ボトリング。うち日本へは204本の輸入。松沢が2024年に蒸溜所を訪れた際に樽を厳選。ラベルは弊社によるオリジナルデザイン。
樽熟成によってアルコールの刺激が取れ非常に柔らかく、ジュニパーベリー特有の針葉樹ならではの鋭い爽やかな香りが丸みを帯びた。スリヴォヴィッツのプラムの甘酸っぱい香り、樽由来の甘味、そしてボロヴィチカの爽やかさのバランスが完璧に整った一本。ストレートやロック、ソーダ割りで。特にソーダ割りにした際の香りの立ち上がり方は通常のボロヴィチカと比較すると段違いだ。
余談ではあるが、日本に来なかった残りの70本は、R.JELÍNEK側の強い希望もあり(彼らの基準でも非常に出来の良い製品だそう)、チェコ・オーストリア・ハンガリーの得意にしている酒屋や飲食店に在庫が回り、日本に貨物が到着するまでの間には完売した。
中欧諸国で大きな存在感を放つR.JELÍNEKの限定品に目がないファンも多い。
近々ウィーンにいかれる方は是非このレストランに行ってみてほしい。
Schweizerhaus
取り扱いのある数少ない飲食店の一つである。
2026年7月
1か月の遅延を経て、輸入完了


商品名:BOROVIČKA SINGLE CASK SLIVOVITZ FINISH
品目:スピリッツ(ボロヴィチカ)
容量:500ml
アルコール度数:44.6%
熟成年数:3年
販売本数:限定204本
価格:¥9,800(税込)
販売日時:2026年7月10日金曜日 20:00~
購入リンクはこちら(販売開始時間に公開)