Cherry Guide

cherry guide

さくらんぼには、
甘いものと酸っぱいものがあります。

日本では「さくらんぼ」とひとことで呼ぶ果物を、ハンガリーではふたつの名前で呼び分けています。甘いさくらんぼが Cseresznye(チェレースニェ)、酸っぱいさくらんぼが Meggy(メッジ)です。onewのチェリーのお酒を選ぶときの手がかりに、そのちがいと歩みをまとめました。

かごに盛られた甘いさくらんぼ
甘いさくらんぼ

Cseresznye

チェレースニェ

そのまま食べておいしい、甘いさくらんぼです。日本でおなじみの佐藤錦などもこちらの仲間です。

酸っぱいさくらんぼ
酸っぱいさくらんぼ

Meggy

メッジ

酸味がしっかりあり、香りが豊かなさくらんぼです。中央ヨーロッパでは、ジャムや焼き菓子の材料として昔から親しまれてきました。

写真のとおり、見た目はよく似ています。いちばんのちがいは味です。じつはこのふたつは、木の種類からして別ものです。酸っぱいさくらんぼは、甘いさくらんぼと、草原に生える背の低い野生のさくらんぼが、自然に交ざって生まれたと考えられています。

どちらも、パーリンカになります。

ハンガリーの果実のお酒「パーリンカ」には、甘いさくらんぼも酸っぱいさくらんぼも使われます。甘いさくらんぼは、すもも、あんず、りんご、洋なしと並ぶ代表的な原料で、酸っぱいさくらんぼもよく使われる果物です。同じ「チェリーのパーリンカ」でも、どちらのさくらんぼかで味わいの方向が変わります。

compare

ならべて比べると

甘いさくらんぼ 酸っぱいさくらんぼ
味 甘みが中心 酸味と香りが中心
よくある食べ方 そのまま食べる ジャム、焼き菓子、シロップなどに加工する
パーリンカ 原料になる 原料になる
ハンガリー語 Cseresznye(チェレースニェ) Meggy(メッジ)
チェコ語 Třešně(トジェシュニェ) Višně(ヴィシュニェ)
英語 Sweet cherry Sour cherry

varieties

さくらんぼにも、品種の名前があります

りんごに「ふじ」や「ジョナゴールド」があるように、さくらんぼにも名前のついた品種があります。onewのお酒に使われている3つを紹介します。

実をたくさんつけたFürtös Meggyの木
アメリカの果樹園で実をつけたFürtös Meggyの木。アメリカでは「Balaton」という名前で育てられています。
酸っぱいさくらんぼの品種

Fürtös Meggy

フルトシュ・メッジ

ハンガリーで生まれた、酸っぱいさくらんぼの品種です。fürtös は「房のように実がなる」という意味です。

1965年、ハンガリー東部の町ウーイフェヘルトーの研究所で生まれました。そのため正式な品種名は、町の名前を頭につけた「Újfehértói fürtös」です。熟すと、皮だけでなく中の果肉まで濃い赤に染まります。

1984年にはアメリカにも渡り、今では「Balaton(バラトン)」の名前で育てられています。

酸っぱいさくらんぼの品種

Cigánymeggy

ツィガーニメッジ

品種づくりが進むよりずっと前から、ハンガリーの各地で育てられてきた酸っぱいさくらんぼです。実は小粒で、果汁は濃い赤。ウーイフェヘルトーでも、1800年代にはブドウ畑のあいだにこの木が植えられていました。

甘いさくらんぼの品種

Kordia

コルディア

チェコで生まれた、甘いさくらんぼの品種です。チェコで偶然見つかった一本の木から広まりました。実は大きなハート形で、色は濃い赤から黒に近い赤。果肉はしっかりしていて、甘さの中にほどよい酸味があります。

history

さくらんぼとハンガリーの歩み

さくらんぼ全体の歴史ハンガリーの歴史
  1. イタリア北部の遺跡から、甘いさくらんぼの種が見つかっています。

  2. いまのトルコのあたりで甘いさくらんぼが畑で育てられるようになり、まもなくギリシャへ伝わります。

  3. ギリシャでは、酸っぱいさくらんぼも育てられていました。

  4. ウーイフェヘルトーの町ができた頃、まわりにはすでに野生の酸っぱいさくらんぼが生えていました。

  5. ウーイフェヘルトーのブドウ畑のあいだにCigánymeggyが植えられ、その後ほかの品種も増えていきます。

  6. ウーイフェヘルトーの研究所で、Fürtös Meggyが生まれます。

  7. Fürtös Meggyが、農家が育てる品種として世に出ます。

  8. 小さな農家にも、酸っぱいさくらんぼの畑が広がります。

  9. Fürtös Meggyがアメリカへ渡り、「Balaton」の名前で育てられ始めます。

in the bottle

onewのチェリーのお酒

Matheus Fürtös Meggy Pálinkaのボトル
原料:Meggy

Matheus
Fürtös Meggy Pálinka

品種はFürtös Meggy。ウーイフェヘルトーとカントルヤノシで育ったさくらんぼを使い、桑の木の樽で寝かせています。

view
Szicsek Cigánymeggy Pálinkaのボトル
原料:Meggy

Szicsek
Cigánymeggy Pálinka

品種はCigánymeggy。昔ながらの小粒のさくらんぼから造ったパーリンカです。

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Matheus Cseresznye Pálinkaのボトル
原料:Cseresznye

Matheus
Cseresznye Pálinka

ハンガリー東部サボルチ・サトマー県の甘いさくらんぼを使い、桑の木の樽で寝かせています。

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R.JELÍNEK Cherry Liqueurのボトル
原料:Cseresznye

R.JELÍNEK
Cherry Liqueur

品種はKordia。チェコ東部モラヴィア地方の造り手が、チェリーのブランデーに果汁と砂糖を合わせて仕上げたリキュールです。

view

ウーイフェヘルトーの酸っぱいさくらんぼで造るパーリンカについて、ハンガリーの公式な規格書は「柑橘を思わせる香りと、種からくるマジパン(アーモンドのお菓子)のような香り」と書いています。

写真:甘いさくらんぼ George Chernilevsky(パブリックドメイン)/酸っぱいさくらんぼ MmmCCC(CC0)/Fürtös Meggyの木 Royalbroil(CC BY-SA 3.0、一部トリミング)。いずれもWikimedia Commonsより。

参考:ハンガリー農業省「Újfehértói meggypálinka」地理的表示 製品仕様書/ハンガリー食品安全局 品種試験ガイドライン(Meggy)/ハンガリー農業生命科学大学 学術誌「The ‘Pándy meggy’ sour cherry」/Wikipedia英語版「Prunus cerasus」「Prunus avium」「Balaton cherry」「Pálinka」/Vinmonopolet 製品情報「R. Jelínek Cherry Liqueur」/Frank P Matthews・Elbe-Obst 品種情報「Kordia」